ものづくりびとを訪ねて~九州~④森山製帽所 森山真登さん(佐賀県小城市牛津)
2015年 07月 04日

商店街の一角に、スポーツ用品店。の一角に、麦藁帽子。一見すると、普通のどこの町にでもありそうな光景ですが、このお店の裏で、この麦藁帽子が生まれているんです!
森山製帽所は、大正9年(1920年)、現在の真登さんのお祖父さんの代から続いていて、お父様の代でスポーツ用品も扱うようになったそうです。

たくさんの金属の型と、たくさんの麦藁帽子。ちゃんと働いてくれそうな、麦藁帽子らしい麦藁帽子。
オシャレ過ぎず、何気ないけれど、ホームセンターのものと違い、品があります。
漫画ワンピースの主人公ルフィーの麦藁帽子として、イベントで採用されたのだそうです。
現在、日本で縫製されている麦藁帽子は、調べて分かった分では3件ありましたが、本当に貴重な存在です。
森山さんの他の2件はオシャレ重視で、女性用のエレガントなものや、お出かけ用、といった高価なものを作られています。
それに対し、ホームセンターに卸していたときもあるというほど、実用麦藁帽。お値段も、めちゃくちゃ良心的です。
素朴で、健康で、正しい麦藁帽といった印象で、私は大好きです。多分、店先に置いてある麦藁帽を見ても、誰もここで作っていると思わないのではないか、というくらいのさりげなさも、素敵です。
モーターのスイッチをガチャっと入れると、音を立てて、モーターが回りはじめます。
森山さんがミシンで手際よく、編んだテープ状の麦藁を縫い始めてくださいました。

手の中でくるくるくるくると回りながらどんどん円周が大きくなり、テープが終わると次のテープと編み込んでつなぎ、またどんどんと大きくなります。そして、ある程度の大きさになると、頭のてっぺんから、立ち上がりの部分に移行していきます。その立ち上がりは、感覚だそうで、型紙などがあったりするわけでなく、仕事をはじめられたころは、なかなかうまくいかず、中華鍋のような広がったような形にしかならなかったそうです。

年季の入ったミシン、下糸のない上糸のみのミシンなのだそうです。
私達のために、最初から作業を見せてくださったのですが、ホントにくるくるとみるみる形になって、面白かったです。
その後、頭の部分のカタチを、丸だったり、へこませたり、角張らせたり、プレスして形を作ります。

縁を付けたり、リボンを付けたり、紐をつけたり…といった作業はまた違うミシンで。
こちらもレトロ。仕事をたくさんしてきたんでしょうね。

森山さんの所を後にして、山裾の道を走っていると、古い集落と思われる村があり、遠く眼下に広がる田植えの済んだ畔の所で、藍の長そでに麦藁帽の人がしゃがんで休憩しているのが小さく見えました。まぁ、なんと絵になる光景か。顔は帽子で見えませんが、水の張った田の青々とした畔の黄緑の中に、藍と麦藁!たまりませんでした。
我が家、養蜂家族にとっても、麦藁帽は必須アイテム。
良い麦藁帽、探していたんです。
でもお出かけ用にも欲しいし…。
数種類ありますので、皆さんも悩んでくださいね。
我が家、養蜂家族にとっても、麦藁帽は必須アイテム。
良い麦藁帽、探していたんです。
でもお出かけ用にも欲しいし…。
数種類ありますので、皆さんも悩んでくださいね。
ものづくりびとを訪ねて~九州~
7月3日(金)~8月3日(月)


by 83yui | 2015-07-04 07:00 | 展示 | Comments(0)